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HIFIMAN騒動についての個人的所感 [オーディオ]

現在、ポタオデ関連Twitter上で話題となっているのが、HIFIMAN騒動です。
他に書かないといけないネタが山積みの中で、どうしても書いておきたかったので、乱文ご了承。

この件の詳細はTwitterを検索していただきたいのですが、簡単に言うと、

・ある方がHIFIMANのハイスペックDAP HM-901Sを分解したら、PCB(プリント基板)上に実装されているTI製(BBブランド)のオペアンプにアヤシい刻印のものを見つけた。
・端子間抵抗を測ると、本来の値とは異なる抵抗値であった。
・偽物オペアンプが搭載されている可能性もあるので、HIFIMANに調査を依頼した。
・HIFIMANからの回答は、偽物の素子を実装するはずがない。名誉毀損で訴える覚悟だ、と回答が来た→その経緯をTwitterに公開

さらに、HIFIMAN JAPANは、声明文として、
http://hifiman.jp/articles/detail/28
を公開。
この声明の最後の文章で、今回指摘をした方を「加害者」と呼び、起訴・賠償を請求する権利がある、と強い姿勢を示したことで、今回の指摘の内容はよくわからない方も含め、HIFIMANにとって逆風が吹いてしまっている状態です。

私は電子関係の信頼性・品質業務をしていることもあり、今回指摘されたような偽物素子の流通や、意図せず流出してしまった事例を知っているので、私にとってはこの指摘自体は、それほど驚くことではありませんでした。(もちろん、自分が購入したDAPでそのような偽物素子が搭載されていたらイヤですが・・)

まず、知っておいていただきたいのは、このような問題を取り巻く環境です。今回で言えば、登場人物はHIFIMANとオペアンプメーカ(TI)だけではありません。

1. HIFIMAN本社(中国・天津)
2. HIFIMAN中国工場(昆山)、おそらく下請け製造会社(EMS=electronics manufacturing service)
3. コンポーネント代理店1
4. コンポーネント代理店2
5. 素子メーカ TI

登場人物は、最低でもこんな感じだと思います。
2の工場はHIFIMAN所有の工場なのか、下請けのEMSなのかはわかりません。いずれにしても、この工場で生産される製品の品質をコントロールする責任がHIFIMAN本社にはあります。

ここから先は、私の経験上の話になりますが、HIFIMANほどの名が通った会社(マニアックな会社ではありますが)が、自らの意思で偽物の素子を選定して実装する、ということは99%あり得ません。特にマニアが多いこの業界において、故意にそれをやったことがバレた時の損失が、偽物素子を使って得られるメリットに比べて大きすぎるからです。
つまり、もし本当に偽物素子が実装された状態で出荷されてしまっていたのだとしたら、HIFIMANにとっては青天の霹靂な出来事であると思います。

親会社が意図せず、偽物素子が実装された製品が生産されてしまう理由は、上記3、4のコンポーネント代理店の存在です。
電子コンポーネントは、その部品の種類によって、数多くの代理店が存在し、また多くの代理店を経由しているため、親会社の目の届かないグレーな領域が存在します。
上記4の代理店が、正規コンポーネントの半額で偽物コンポーネントを入手して、その上流代理店に流してしまえば代理店4はその差額を儲けることができますが、HIFIMANにとっては、そんなやりとりがあったことなどはわかる術は無く、上記3の代理店から正規のコンポーネントとして入手して、それを実装してしまいます。

ではHIFIMANも被害者か?というと、そうではありません。
HIFIMANには、正規の素子が実装されていることを保証する責任と、そのために下請けのTier2,Tier3までガバナンスを効かせる責任が生じます。
また、通常、製造工場には、自社製品に搭載するコンポーネントを受け入れる際に行う、「受け入れ検査」という工程があり、ここでは製品に搭載されるべき正しいコンポーネントが納入されているかを全数、もしくは抜き打ちで検査しています。
たとえば、今回問題となっているオペアンプの納入形態は、1リール1000pcsが、5リール、とか10リールの単位で段ボールに収められて納入されていると思いますが、通常はその箱ごとにコンポーネントを一つ抜き取って、そのコンポーネントが本当にオーダーしたものなのかどうかを刻印や外形寸法などを確認してチェックします。もしそこで疑わしい場合はコンポーネント単品の電特(電気特性)を測定する、というようなことをすることで、偽物素子が誤って実装されてしまうことを水際で防止するプロセスがあるはずです。HIFIMANがこのようなプロセスをしっかり運用していたかどうかは知る術はありませんが。。

ただ、今回の問題が大きくなってしまった要因の本質は、やはりHIFIMANの初動対応(ユーザーからのクレームに対して誠意を持って対応する)と、問題が明るみに出されてしまった後に発表した「声明文」の内容のひどさ、にあると思います。
どういうクレームをしてきたかどうかは抜きにして、製品を購入して使ってきたユーザーを、公式に「加害者」呼ばわりする、ということはあってはならないと思います。

一方、指摘した側にも、私個人的にはもう少しやり方があったのかな、とも思います。前提として、私は「お客様は神様だ」という考えの持ち主ではない、ということはお伝えしておきます。(お客様は神様だ、の考えの持ち主は、お客様であれば何をやっても良い、ということになり、議論が発展しないため)

まず、今回の指摘内容は、
・刻印がアヤシい
・端子間抵抗値がおかしい
の2点なのですが、利益だけを守ろうとしているメーカに対しては、どちらもエビデンスとしてツメが甘いのです。

一つ目の刻印ですが、正規品であっても刻印のエラーというのは存在します。私もあり得ない刻印の間違いを見たことがあります。二つ目の抵抗値についても、経時変化、偶発故障だ、また、オペアンプが実装された状態での端子間抵抗は外部回路の影響や、基板そのもののマイグレーションによって抵抗値変化している、という、半ば強引な理由で弁明されてしまえば、それで終わりです。

内々でメーカとのやりとりであれば、上記の水掛け論をしても良いのかもしれませんが、Twitterのような公共の場に情報開示するにあたっては、自分の身を守るためにももう少し確実な証拠(エビデンス)が必要であるというのが、私の個人的な意見です。

ではもう少し確実な証拠とは何か、それはX線写真やX線CT(3D)写真による、オペアンプ内部の構造検証です。この写真があれば、内部のチップ形状やボンディングワイヤー形状の違いで、コピー品かどうかが明らかになります。
X線装置は、個人で所有できる設備ではないので、もし実施する場合は数10万円くらいで外部分析会社に依頼することになるのですが、自分の身を守りつつ、相手の誤りを指摘する、というのはこれくらいの覚悟が必要なのだと思います。

ちなみに、私の職場には透過型X線も3D CT設備もあるのですが、個人の趣味の分析を、会社の設備を使ってやるか、というわれれば答えはもちろん、Noです。

さらに強いエビデンスにするのであれば、オペアンプを開封して内部チップを顕微鏡で観察する、という方法もありますが、その場合はオペアンプをPCBから剥がす必要があり、その時点でそのオペアンプがそのPCBに搭載されていたかどうかを示す証拠が薄くなってしまうため、調査側とメーカ側とが調査内容を同意している状況でないとなかなか踏み込めない方法です。(ちなみに、素子開封設備も職場にあったりします。。)

ということで、今時点では、メーカ側も指摘した側にも、双方にリスクがある状態で、なかなか難しい状況なのですが、私の思いとしては指摘した方の不利益になるようなことにならないことだけを祈っています。


最後に、全く立場を変えて、いちオーディオ好きとしての私としては、偽物素子の流通は防ぎようがないことは理解しつつ、それにあまり振り回されること無く、自分が良いと思った物は良い、というコンセプトで楽しんでいければいいかなーと思っています。
もっと言ってしまえば、たとえ偽物素子が搭載されたDAPであっても、自分が良いと思ったのであればそれで良いじゃん、というのが、今を取り巻くこの現状を認めざるを得ない中で、自分が取れる最良の姿勢だと思っています。
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人生初のカスタムIEMオーダー!! カナルワークス CW-L52PSTS [オーディオ]

#このブログエントリ執筆時は2018年5月末ですが、過去にさかのぼって執筆しております。

前回のブログエントリで、カナルワークス「CW-U12aEX」と「CW-U02」についてのレビュー記事、こちらこちらを書きました。
しかし、同じ時期に、同じメーカの、スペック違いの2つのイヤホンを買う、という、通常ありえない行動に出た理由についてはしっかりと説明していなかったと思いますので、まずはその理由から書きたいと思います。

1つ目の理由は、「カナルワークス」という純国産メーカに興味があったということ。これは前回のエントリにも書きました。

もう一つの理由は、カスタムIEMへの憧れ、です。
今まで、いろんなユニバーサルイヤホンを購入してきましたが、中にはどうしても装着感が気に入らず手放したイヤホンもありますので、イヤホンの善し悪しを決める、重要な要素の一つは「装着感」である、というのが私の中の理解です。そしてそれを根本的に解決するための方策のひとつが「カスタムIEM」だと考えました。

カナルワークスという会社は、2017年11月に初のユニバーサルイヤホンを発売するまでは、完全なカスタムIEMメーカとして成長してきた会社です。そんなカスタムIEM一色だったメーカが発売した、初のユニバーサルイヤホン2機種、ということで、人気も博していたし、私も気になって2機種とも購入してレビューさせていただきました。

その結果、残念ながら、「CW-U02」は1BAイヤホンの特色、良さを引き出せておらず、私にとってはいまいちなイヤホンでしたが、2BAイヤホンである「CW-U12aEX」は全域で解像度が良く、上から下までまんべんなく音が出ていて、私にとって非常にお気に入りのイヤホンである、というのは前回のブログエントリの通りで、その後の評価も変わっていません。

この「CW-U12aEX」というユニバーサルイヤホンの原型となったのが、「CW-L12aEX」というカスタムIEMイヤホンで、内部のドライバ構成はどちらも全く同じです。
つまり、ユニバーサルイヤホンである「CW-U12aEX」が良いと感じるのであれば、そのカスタムIEM版であるCW-L12aEXも同様に良い、と感じるだろうし、それに加えてカスタムIEMによる装着感向上によって、その良さがより引き出されるのではないか、と考えました。

一方、一般的なカスタムIEMの問題の一つに、しっかりと視聴ができない、ということがあります。
一般的なカスタムIEMは、イヤホン専門店などに出向いて、ユニバーサル化した視聴機で機種を選択してオーダーする、という流れです。
この場合、当然視聴は店頭でだけなので、そんなに長時間の視聴もできないですし、元々カスタムIEMだったものをユニバーサル化しているだけですので、そこまで装着感が追求されておらず、お世辞にも装着感が良いとは言いがたいものが多いのです。
ですので、自分の耳の形で完成したカスタムIEMを聴いた時に、視聴機とは異なった印象を持つ方も少なくないようです。通常は、フィット感が上がったことで良い方向の変化を感じる方が多いですが、中には「あれ?思ったのと違う」という感想を持つ方もいると思います。

つまり、カナルワークス「CW-U12aEX」を購入し、自分に合うイヤピースに付け替えて、長期間「視聴」することで、決して安い買い物ではないカスタムIEM「CW-L12aEX」を選択して良かった、正しかった、と思えるための土台を築きたい、と考えました。
そして、「CW-U12aEX」がお気に入りのイヤホンとなりましたので、近いうちにカナルワークスのオンラインショップから「CW-L12aEX」をオーダーしようと考えていました。

そんな中、たまたま出張帰りに寄ったビックカメラ池袋店に寄った時、カナルワークスのカスタムIEMをオーダーできることを知りました。
eイヤホンだけでなく、ビックカメラでもオーダーできるんだ、と多少驚きつつ、「まてよ、ビックカメラでオーダーすれば、定価にポイント還元が付く分、お得かも」と気がついて、ショーウインドの中をのぞいていたのですが、

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私がオーダーしようと思っていた「CW-L12aEX」の視聴機は無かったのですが、価格がカナルワークスのオンラインショップとは異なる機種があることに気がつきました。
一番大きく異なっているのが、CW-L52PSTSで、オンラインショップでは税込184,680円なのですが、ビックカメラでは税込165,024円で、約2万円も違います。
さらにビックカメラでは10%分の16500円がポイントで還元されます。
他の機種は、オンラインショップと大体同じか、中にはオンラインショップよりも高い値札のものもあり、どうもビックカメラ独自の値付けをしているようです。
オンラインショップで税込95040円のCW-L12aEXと比べると大幅な予算オーバーですが、ポイント込みで35000円もお得になるCW-L52PSTSが欲しい、と急に考え始めてしまいました。

まずは、この値札に間違いがないのかをビックカメラの店員さんを呼んで確認してもらったところ、やはり間違いがある、ということで本当はオンラインショップ定価の184,680円でした、とのこと。この場には値札の無い「CW-L12aEX」もオーダー可能ですが、価格はやはりオンラインショップと同じだそうです。

やっぱり定価か、ただポイント還元分だけビックカメラでオーダーする方が得かな、と、いうことで、CW-L12aEXを今、オーダーしてしまおうか、と考えた瞬間、店員さんから「値札に間違いがあったのはこちらのミスですので、この値札の価格で承りますよ」と。その瞬間、頭のネジが飛びました。。。
頭のネジは飛びましたが、せっかくユニバーサルCW-U12aEXを購入するまでして、CW-L12aEXをオーダーするという決断をしていたのに、少しお得、というだけでその判断を曲げて良いのか?という理性も働いており、その場でCW-L52PSTS視聴機と、私が持参したCW-U12aEXを30分ほど視聴させていただきました。

2ドライバのCW-U12aEXと、方や6ドライバのCW-L52PSTSを比較すれば、そりゃ6BAのCW-L52PSTSが良いと思うのは当たり前です。
CW-L52PSTSは視聴機でフィット感がスゴく悪かったのですが、手でジャストポジションを固定しながら視聴すると、とてつもない解像度と、CW-U12aEXよりも中域がしっかりでており、さらにフラットでモニターライクなサウンドでした。
低域が多少弱いかな、とも思いましたが、それはPSTSというシステムで、外付けの抵抗を交換することで低域の強弱をカスタマイズできるのです。
http://www.canalworks.jp/2017/11/09/psts%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%BD%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86/

このPSTSに惚れました。なにより、抵抗がむき出しになっているところは、エンジニア魂に火を付けます。

ということで、オーダーしてしまいました。耳型(インプレッション)も、同じビックカメラの建物の別フロアー補聴器コーナーに専門家がいるそうで、その場で取っていただきました。

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初のインプレッション採取。出張帰りなのでスーツ、ネクタイ、です

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オーダーフォーム

実はこのオーダーフォームを作成する際に、オーダーフォームが相当古かったらしく作り直したりして、なんだかんだで3時間ぐらいかかってしまったので、インプレッション採取代金5000円をおまけしてくれました。

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カナルワークスのシミュレーションによる完成予想図。
このデザインは前から決めてました。シースルーのシンプルなデザインですが、左右でロゴを変えて左右識別のしやすさを考慮してあります。

ということで、最終的に支払った金額は173,620円で、これにポイント還元なので、相当安く購入することができました。
これからは納品連絡を待つ日々が始まります。楽しみ!!
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カナルワークス CW-U02 ゲット [オーディオ]

前回のブログエントリ「カナルワークス CW-U12aEX ゲット」で紹介したCW-U12aEXに引き続き、ほぼ同時に入手したCW-U02についても音の感想を書いてみたいと思います。

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CW-U12aEX、CW-U02それぞれのシェル形状や大きさは全く同じですので、装着感は全く同じです。つまり純粋に2BAイヤホンと1BAイヤホンの音質の違いにフォーカスして比較できるということになります。

イヤホンの音質を決める重要な要素の一つに「装着感の善し悪し」もありますが、カナルワークス初のユニバーサルイヤホンの装着感は上々で、長時間の装着でも痛くなったりすることはありません。
ただし私は、CW-U12aEXに標準添付されているイヤピースは耳に合わなかったので、SpinFitのツインブレードCP240のSサイズを使っています。

ただし、CW-U12aEX/CW-U02にCP240を付けると、ノズルがアルミ削り出しのためにスベりやすく、耳からイヤホンを取り外す時に、耳の中にイヤピースが残ってしまいます。(私も1度やってしまって焦りました…)

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その対策として、CP240に付属しているノズル径変換アダプタ(写真左)を装着してからイヤピースを装着することでイヤピースが耳に残ってしまうことを防ぐことができます。

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この写真は、右が通常のSpinFit CP100、左がCP240ですが、もともとCW-U12aEX/CW-U02のノズル長が少し短いため、標準添付のイヤピースを含め、通常のイヤピースでは耳の奥まで届かないのですが、SpinFitツインブレードCP240を使うことで、数mm耳の奥まで届くようになり、主に高域側の減衰を防ぐことができます。

効果の大きさにはバラツキはあるものの、SpinFitツインブレードCP240を使うことで、標準的なイヤピースよりも高域を強調することができます。この効果が私にとってはありがたいので、SpinFitツインブレードCP240はお気に入りのイヤピースとなっています。

さて、話題をCW-U02に戻します。

シングルBAイヤホンであるCW-U02の音を聴く前の予想は、低域は決して得意ではない代わりに、中域から高域にかけて透き通るようにスーっと伸びていくような音をイメージしていました。
このイメージは、私が所有している同じシングルBAイヤホンであるFinal F7200から来ています。価格帯もF7200とCW-U02は似ているので、それぞれシングルBAイヤホンの特徴を活かした良い勝負ができるのではないか、と期待していたのですが…

CW-U02の音を初めて聴いた時の第一印象は
「すごい、シングルBAなのに低音がすごい出てる!」
でした。
こんなに低域が出ていて、かつ、中・高域の伸びが良いとなると、他のシングルBAイヤホンキラーだぞ、と思った瞬間「あれ?」

中域、高域が粗いのです。スーッと伸びていくのではなく、ザラザラするのです。
「うわー、そうきたか」と口に出して言ってしまったほどです。

何かの間違いなのかと思い、少し聴いた後CW-U12aEXに付け替えて聴いてみると、低域も高域もすごくキレイ。
CW-U02に戻すと「うーん」これを数回繰り返して事実を受け入れました。

CW-U02に搭載されているBAドライバは低域寄りのものでした。私が期待していた中・高域寄りではありませんでした。
F7200みたいな高域番長のような玄人好みのイヤホンでは万人受けしないでしょうから、カナルワークスはCW-U02に対してこれを意図してやったことでしょうけど、私にとっては残念な結果となってしまいました。

万人受けするイヤホンを開発するにあたって、低域をある程度確保しつつ、中・高域をチューニングする、というのは、おそらく一般的なシナリオだと思うのでそれ自体は否定しないのですが、だとしたらCW-U02はもう少し価格を下げてもいいのではないか、と思ってしまいます。

シングルBAイヤホンで43200円というCW-U02の価格設定は、こだわりを持ってあえてこのイヤホンを選ぶ人だと思いますし、この価格帯なりの音質を期待してしまいます。
私個人的な印象としては、CW-U02は19800円くらいの音質だと思います。(あくまで個人的な感想です)

一方、2BAイヤホンのCW-U12aEXはとても良く、62640円は価格相応だと納得しています。
CW-U12aEXが良かった分、CW-U02への期待が膨らみすぎてしまったということもあるかもしれません。

実際に買って失敗する前に店頭で視聴すればわかる事じゃん、と言われそうですが、店頭での視聴って店内もうるさいし、イヤピースを同じ条件にできなかったり、イヤホンケーブルが展示ディスプレイに固定されていて無理な体勢での視聴になったり、と、音質に対して正しい判断ができないことが多いと思っています。
ですから、私はどうしても気になったイヤホンはこれからもできるだけ購入して試していこうと思っています。

もちろん、手元に残さないと決めたイヤホンはどんどんヤフオクに出しますので、見つけたら落札していただければありがたいです。。

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カナルワークス CW-U12aEX ゲット [オーディオ]

Final F7200を使い始めたころから、イヤホン業界において大手以外の日本のメーカも頑張っているんだな、と感じ、その流れで他の日本メーカのイヤホンも気になって調べてみたところ「カナルワークス」という埼玉のメーカもカスタムIEMを中心に評判が良い、ということを知りました。

ずっとカスタムIEMだけを販売してきたカナルワークスが、昨年末に初のユニバーサルイヤホン「CW-U12aEX」と「CW-U02」を発売したことが話題になったそうですが、その話題の高さからか、ずっと品薄が続いているようです。
CW-U12aEX、CW-U02はそれぞれ、2BA、1BAのイヤホンで、以前からカスタムIEM「CW-L12aEX」「CW-L02」として販売されていたものをユニバーサルかしたものらしいです。

数ヶ月間品薄だったものが、やっと入荷され始めたようなので、CW-U12aEXとCW-U02の二つを同時ゲットしてみました。

なぜ似たようなイヤホンを同時に買ったのか?その理由は、今所有しているイヤホンによります。お気に入りのFinal F7200と、いまいちだったUnique Melody MACBETH II Classic。それぞれ1BAと2BAなので、私の中では1BAの株があがっており、2BAはめっきり下がってしまっています。
この基準だけでいえば1BAのCW-U02だけを買えば良さそうですが、2BAのCW-U12aEXのユーザー評判も結構高いため、もしかして2BAイヤホンも捨てた物では無いのかもしれない、という疑念を晴らすべく、同時購入に踏み切りました。

在庫が復活してきたとはいえ、十分ではなく、それぞれ別々の店舗から購入したため、2BAイヤホンであるCW-U12aEXが先に届きました。
簡単に開封と音質について紹介します。

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茶箱に手作り感のあるポーチ。今や中華イヤホンでもありえない梱包ですが、こういうのも悪くないですよね。

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使いやすそうなキャリングケースが付属します。

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実物を初めて見ましたが、最初の一言目は「めちゃくちゃキレイ!」でした。

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二つのBAドライバがみえます。

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ノズルはアルミ削り出しです。

2BAで6.5万円というのは決して安い価格帯のイヤホンではありませんが、見た目のキレイさや加工精度を見ると、価格相応かな、という気がしてきます。少なくとも1,2万のイヤホンでは実現できない作りだと思います。
ユニバーサルとは言え、一つ一つカスタムIEMと同じ製法で作られているそうで、いわば手作り。それ故、シェルの中に気泡などはなく、透明度も高く、所有して使う喜びを感じることのできるイヤホンです。そういう意味では、もはやカスタムIEMに近いのかも。。

さて問題の音質です。

Unique Melody MACBETH II Classicで2BAイヤホンの印象が悪くなっている私にとって、見た目の良さとは裏腹に音質については過度な期待は禁物、と気持ちにブレーキがかかっている状態です。

早速、QP2RにCW-U12aEX付属のケーブルでアンバランス接続してみました。

良い意味で期待を裏切られました。良いです。スゴく良いです。
気のせいかとおもって小一時間、聴いてみましたが、やっぱり良いです。悪いところが見つかりません。もう1時間、他のイヤホンをとっかえひっかえ、聴いてみましたが、やっぱり良いんです。

低域はほど良く出ていますが、強すぎません。ちょうど良い、好みの量感です。私にとってはSE846が低域出過ぎなのですが、その半分ぐらいです。低音を無理して出しているわけではないので、丁寧に出しているなと思いますし、それゆえ、音の解像度も悪くないです。

高域は透き通っています。思いっきり高域によせたF7200よりは高音の密度は低いのですが、低域と同じで高域も「ちょうど良い」のです。出過ぎることなく、不足感もないです。
中域もちょうど良いです。それぞれのBAの間のクロスオーバー周波数域で若干の沈み込みがあるような気がしますが、MACBETH IIと比べると全く気にならないレベルです。

つまり、低域も中域も高域も、すべてにおいてちょうどよく、聴いていて心地よいです。すべてちょうど良い、というと「退屈そう」と思われるかもしれませんが、すべてにおいてちょうど良いイヤホンって実はそう多くなく、少なくとも私はこんなにちょうど良いイヤホンに初めて出会ったので、そのちょうど良さを楽しむことが出来ています。

もちろん、音の解像度、で言えば、SE846やMAVERICK IIのようなマルチBAドライバイヤホンの方が良いです。しかし、マルチBAであることのデメリットはクロスオーバーポイントが増えることによる音の切れ味の低下なのだとすると、2BAのCW-U12aEXは、低域と高域でちょうど良い切れ味を保っており、聴いていてモヤモヤすることなく、スカッと気持ちが良いのです。

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CW-U12aEXの透明なシェルの中身を見ると、単純に2つのBAドライバをくっつけて、その出力は音導管で細工することなく、ストレートにノズルに接続されているだけなのに、どうしてこのような気持ちよい音が出せるのか、本当に不思議です。

私の中で2BAイヤホンに対する疑念が晴れました。そしてカナルワークスという日本のメーカも大好きになりました。
2BAであるCW-U12aEXがこんなに良いのであれば、もしかしたら1BAのCW-U02も負けず劣らず良いのでは無いか?という期待が膨らみます。
CW-U12aEX入手の翌日に手にしたCW-U02の音質については、次のブログエントリで。
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Final F7200用 純正バランスケーブル ゲット [オーディオ]

お気に入りのイヤホンの1つであるFinal F7200は、先日購入したQP2Rに接続しても良さは健在で、なおかつQP2Rの元気の良さと相まって、1BAイヤホンであることを忘れさせてくれるような楽しい音を奏でてくれています。

ふと、QP2RにF7200をバランス接続したらどうなるのか?と思い、手持ちの安いMMCXバランスケーブルをF7200に接続して聴いてみたところ、別のイヤホンで聴いたのではないかと錯覚するほど変化したので、思わずFinal F7200専用(?)の純正バランスケーブルを購入してしまいました。

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購入価格26,000円ほどですので、私にとっては過去最高額のケーブル価格となります。

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F7200付属のケーブルとジャックが2.5mm4極になったこと以外は同じなのですが、やはり綺麗で、巻き癖がほとんどなく、すばらしいケーブルだと思います。

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イヤホンもケーブルもすべて日本製です。

さて、肝心の音質について、QP2Rに、F7200付属のアンバランス接続と、今回購入したバランス接続を交互に比較してみました。
今回、イヤホン、ケーブルは全く同じですので、もし音の違いがあるとすれば、それはQP2Rのアンバランス出力とバランス出力の違い、ということになります。

バランス接続とアンバランス接続の違いは、よく聴けばわかる、というレベルではなく、明確に異なります。バランス接続が良すぎて、アンバランス接続に戻れなくなってしまいます。

違いは3つ。高域の伸び、低域の迫力、全体のクリアさ、です
まず高域ですが、2ランクぐらい伸びて艶やかさが増します。ただ刺さるほどではないので不快感はありません。
低域も2ランクぐらい良く出るようになります。もともと低域が弱いF7200ですが、多少踏ん張りが出てきます。(それでも低域重視、とまでは行きませんが)
全体のクリアさ、については、バランス接続でしばらく聴いた後アンバランス接続に戻ると、全体的にモヤっている感じになります。

これらの効果は、QP2Rのフルバランス出力回路の出力UPやセパレーション向上によってもたらされているのでしょうけど、ここまで変化してしまうと、もはやアンバランス接続では音楽を聴きたくなくなってしまいます。

ただし、メリットばかりではありません。
QP2Rにおいてバランス接続すると、まずバッテリの消費が激しくなります。
さらにBIASモード「High」にすると、画面に「温度上昇しますよ」という警告表示が表示されるほど、バッテリが消費し本体が温度上昇します。

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「本体温度は…」の先がちゃんと表示されないバグがあります。本体温度がどうなるんでしょう?!

もう一点、ホワイトノイズが増大します。なかなかこれはやっかいでして、アンバランスでも気になっていたホワイトノイズが、バランス接続すると曲間毎に気になってしまうレベルにまでなってしまいます。
他のサイトでも紹介されているように、QP2Rのバランス出力は高インピーダンス、低能率のヘッドホンもガンガン鳴らせてしまう程の出力ですので、低インピーダンス、高能率のIEMではノイズが載ってしまって当然なのですが、それでもSE846をバランス接続すると我慢できないレベルのホワイトノイズになりますので、DAPも用途ごとに使い分けなければならないな、という思いが強くなります。

幸い、F7200をQP2Rにバランス接続しても、それほどホワイトノイズが気になりませんので、良い組みあわせであると言えると思います。

なお、PLENUE 2のバランス接続だと、QP2Rほどの劇的な音質の変化は感じません。
また、数ヶ月前まで所有していたGRANBEATでもスゴい変化した、という記憶がありませんので、アンプ回路の設計の違いや味付けの違いによるものなのかもしれません。
ただ、わざわざバランスケーブルを買わないと試すことのできないバランス接続なので、劇的に良くなるQP2Rのような設計の方が使っていて楽しいですよね。
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Questyle QP2R 音質レビュー [オーディオ]

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音質のレビューなんておこがましいですし、文才、表現力も無いのですが、一度は候補から脱落したQP2Rを購入した理由を、PLENUE 2と比較する形で説明してみようと思います。

比較で使ったイヤホンは、Shure SE846、Final F7200、Unique Melody MACBETH II Classic などです。すべてアンバランス接続となります。

PLENUE 2 QP2R
低域の響き 出てはいるが、あっさりしている。忠実な低音。 4 ベースの弦の揺れや空気の揺れが伝わってくるような低音。若干脚色の感あり。 5
高域の伸び、透明感 Good 5 Good 5
中域の解像感 Good 5 Good 5
力強さ 繊細。女性的 4 力強い。男性的 5
音の広がり 悪くはないがQP2Rと比較すると少し狭い 4 奥行きを感じる。楽器の位置や距離感がわかる 5
音のまとまり、一体感 Good 5 Good 5
ホワイトノイズが無いこと 鬼門のSE846でもノイズは感じない。 5 SE846ではサー音が目立つ。感度が悪いイヤホンでも耳を澄ますと聞こえる。 3
外来電波雑音による可聴ノイズがないこと 携帯電話からの電波ノイズでチリチリ音がする。20cmぐらい離さないとダメ 3 携帯電話のノイズは感じないが、曲間のホワイトノイズが外来ノイズの影響で揺らいで聞こえることがある。 4

QP2Rの特筆すべき特徴は、とにかく元気の良い音を鳴らす、というところに尽きます。聞いていてワクワクするような音で楽しいです。(まさに音楽、です)
反面、決してニュートラルな音ではなく、若干ドラマチックにしたような味付けです。PLENUE 2に「QP2R」というJet Effect設定があってもおかしくないような、と思ってしまったほどです。

一方、QP2Rの弱点は、あらかじめわかっていたとは言え、ホワイトノイズです。低インピーダンスで能率のよいShure SE846は使用をはばかられるレベルのノイズ量で、鳴らしにくくノイズが出にくいはずのFinal F7200であっても、耳を澄ませば少し聞こえます。

ホワイトノイズの量は元気の良さ(アンプの出力)の裏返しである、というのはQP2Rを使ってわかったことですし、QP2Rぐらいの元気の良さであれば、多少のホワイトノイズは大目に見るのですが、それでもQP2Rでは使えないイヤホンが存在する、ということは認識しておくべきです。

QP2Rで使えないイヤホンの代表は、Shure SE846やCampfire Audio Andromedaです。特にAndromedaはメインで使っている人が多いイヤホンの1つですが、そんな方にはQP2Rはオススメできません。
ゲイン設定をLowにすればホワイトノイズも下がってくれると良かったのですが、QP2Rのゲイン設定で変更できるのはボリュームMaxでの最大音量のみで、ホワイトノイズレベルは下がりませんでした。

QP2Rの特徴である、BIASモード「High」ですが、私は「標準」との違いを聞き分けられませんでした。「High」で明らかに変わるのは、発熱とバッテリ消費です。正直、BIASモード「High」は単なるホッカイロモードで、QP2Rに内蔵されている電熱線に電流を流している、としか思えないです。。

ただ、若干の思い込みは覚悟で言いますが、「High」の時の方が気持ち元気な音がなっている、ような気がします。それは「High」と「標準」を10秒ずつ聞き比べても気づかないのですが、モード固定にして1曲通しで聞いた時の印象として違いが出ているような感じです。
いずれにしても、余りにバッテリの消耗が激しいので、私は常に「標準」で聴いています。

ここまでがアンバランス接続での話。バランス接続すると、良い意味でも悪い意味でもQP2Rが化けます。それについては次のエントリで。
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Questyle QP2R ゲット [オーディオ]

QP2Rについては、COWON PLENUE 2をゲットした時のブログエントリで「音質は良いけど、操作性が全くの問題外」とばっさり切り捨てていたのですが、それ以来PLENUE 2を満足して使いながらも、QP2Rのことがずっと心に引っかかっていました。

その理由は、私が聞いたUnder 20万円DAPの中で音質の良さが頭一つ抜きんでていたからです。確かに操作性は悪いかもしれません。(今となってはそれほど悪いと思っていませんが…) でもそれを補って余りあるほどの好みの音でしたので、ずーっと気になっていたDAPでした。

そんなある日、e-イヤホンの週末特価か何かで通常価格159,800円のQP2Rが、118,000円になったことがあって、その時はポチる一歩手前まで行きましたが、結局すぐに品切れになってその時はホッと胸をなでおろしたのですが、この一件がさらにQP2Rへの思いを強くする結果となってしまいました。


次にセール価格になった時には絶対にポチろう、という思いを固めたものの、それ以来e-イヤホンでは安売りは行われませんでした。
一度118,000円になったのを見てしまっている以上、なかなか通常価格で購入することには踏ん切りがつかず(ポイント還元込みで考えても2万円以上の価格差)、とにかくセール価格になることを虎視眈々と狙っていました。

ついにその時が来ました!
しかしそれはe-イヤホンではなく、フジヤエービックだったのです。
たまたま訪れたフジヤエービックのオンラインショップサイトで春のセールをやっていて、その中でQP2R-SGが限定3台 119,800円になっていました。e-イヤホンのセール価格より若干高いですが、1か月間待ちに待ったQP2Rの安売りだったのでその場でポチろうとしたら、なんと売り切れ。
3月10日セール開始からすでに1週間経過してしまっていたので無理もありません。

あまりのショックで膝から崩れ落ちたのですが、ダメ元でフジヤエービックにもう少し特価台数を追加していただけないですかね?とメールで問い合わせてみたら、なんと追加してくれました!


お願いしてみるものですね。。

ということで、紆余曲折ありましたが、念願のQP2Rをゲットしましたので紹介します。

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1万円弱の純正レザーケースも購入しました。評判の良いDIGNIS製です。

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ずっと野暮ったいデザインかと思っていましたが、いざ手にしてみるとめちゃくちゃかっこいい!
ちなみにQP2Rを製造委託しているのが、iPhone製造で有名なFoxconnです。本体の工作精度はPLENUE 2より上だと思います。妙なガタツキなどは無く、きちんと工程コントロールされて製造されている様子は、iPhoneを手にしたときの感覚と同じです。

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DIGNIS製のレザーケースは、とにかくしっとり手になじむ、吸い付くような感触が素晴らしいですよね。もちろんケースに傷はつきやすいですが、それも含めて味になるというか。

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曲スキップや再生停止は、レザーのパンチングのおかげでブラインド操作が可能

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電源ONして最初に表示される画面が、メーカ名ではなく「Current Mode Amplification」というアンプ動作モード、というところが、QP2Rのアンプに対する思いが伝わってきます。
なお、本体ファームウェアは2017年12月にリリースされた最新V1.0.3でした。

長くなってしまったので、肝心の音質については、次のエントリで。

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Final F7200 ゲット & F3100との比較 [オーディオ]

Unique Melody MACBETH II Classic であまり気持ちよくなれなかった(参照エントリ)ので、「BAイヤホンの原点はシングルだろ」ってことで、シングルBAの高級イヤホンの1つであるFinal F7200を買ってみました。

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実は私、Finalというメーカが最初海外メーカだと思っていたのですが、純国内メーカである、ということを知りスゴく興味を持っていましたし、いつかはFinalのイヤホンを購入しようと思っていました。

結果から言うと、Final F7200は非常にお気に入りのイヤホンの1つになったので、開封画像から紹介しようと思います。

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箱を開けると、最初に登場するのがこの絵というのがなかなか面白いですね。普通はイヤホン本体を前面に押し出してくるものですが、この辺もFinal風、といったところでしょうか。

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黒いシリコン樹脂製のケースと、ウレタン製イヤピース、イヤフックなどの付属品が出てきますが、一般的なシリコン製イヤピースがない!入れ忘れた?!と一瞬焦りました。

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シリコン製イヤピースは、イヤホンケースの裏蓋の中に入ってました。。

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シリコン製イヤピース(Final Eタイプ)は、SS~Lサイズまで5種類が入っています。必ずどれかはフィットするはずです。

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Finalってやっぱり日本のメーカだな、と再認識したのがこの場面。イヤホン本体同士がぶつかり合って傷が付かないように、片方にだけ小さな袋で保護してありました。

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これだけ見ると本当にイヤホンなのか、疑いたくなります。MMCXコネクタが通信業界で使われているような本格的なタイプなので、計測器マイクのような感じです。

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イヤホン本体だけでなく、イヤホンジャックやケーブル含めて、「綺麗だなー」としか言えないです。しばらく眺めていても飽きません。

開封画像はここまで。
随所にFinalらしさが溢れており、視聴する前から「良いメーカだなぁ」と思えてきてしまいます。

イヤホン本体もさることながら、F7200に付属しているケーブルは、単品購入価格が24,000円する高価なものですが、だからといって「ケーブル安物にして価格下げてよ」と考える余地がないほど、このイヤホンとこのケーブルの組みあわせで「Final F7200である」と納得させる説得力があります。

見た目だけでなく、F7200の音作りも、この高価なケーブル込みで成立しているんだろうなぁと納得してしまいます。

早速、Final純正のEタイプイヤピースSサイズを付けて視聴してみました。

が、私にはEタイプのイヤピースがどうしても合いませんでした。音の定位が出ないのです。
イヤホン本体の角度を指で調整して固定すると、ある角度でスッと目の前のモヤが晴れたかのような音の定位が来るのですが、指を離すとすぐに籠もった音になってしまいます。イヤホンからの音の出口を、鼓膜に対して直角に向ける必要があるようですが、イヤピースの保持力だけではそれがうまくいきませんでした。私の外耳道の形が特殊なのかもしれません。。

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純正Final Eタイプのイヤピースではなく、SpinFitを試してみました。

通常のシングルブレード(CP100)だと、Eタイプと比べて音の定位が取りやすくなります。さすが外耳道でSpinしているだけのことはあります。

CP100でも良かったのですが、ツインブレード(CP240)を試してみたところ、CP100よりも高域がより伸びるようになり、F7200の長所をより伸ばす方向になりましたので、私はCP240ツインブレード(Sサイズ)で使っていくことにしました。

挿入する際は、耳たぶを後ろに引っ張りながら、グイグイ先端が鼓膜の手前までくる勢いで挿入します。エティモの3段フランジもそうですが、この挿入感に慣れない人はCP240を使わないほうがいいと思います。

で、肝心のF7200の音ですが、シングルBAここにあり!!という音を奏でてくれます。
透き通るような中高域、これに尽きます。キラキラとかシャリシャリではなく、透き通っています。

しばらくF7200を聴いてから、以前紹介した同じシングルBAイヤホンEN120を聴くと、いかにF7200が上品な高音を奏でているかがわかります。F7200を聞き慣れてしまうとEN120はちょっと歯止めが効いてない感じで少し聴き疲れします。

一方、F7200は明らかに低音は少ないです。低域の量感はEN120の方があります。
もっと低音が欲しい、という方には、F7200はどう逆立ちしても受け入れられないイヤホンになると思います。

逆にF7200の音が好き、となると、他の代替えがきかないぐらいのめり込んでしまうイヤホンだと思います。

この音はF7200だから出せるのか、それとも同じシリーズの廉価版 F3100でも出せるのか?がどうしても気になってしまったので、購入して確かめてみることにしました。

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家電量販店価格は約18,000円ですが、ヤフオクで新品が約7000円で購入できました。
(2018年お正月ヨドバシ福袋で多数販売されたことで値崩れしているようです)

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F7200とF3100の違いは、
・イヤホン本体がステンレスかアルミか
・ケーブルがシルバーコートか、そうでないか
・リケーブル出来るか、出来ないか

F7200はMMCXコネクタの部分で360度グルグル回るので、耳に装着した後でのケーブルの取り回しが格段に向上しています。
F3100はケーブル固定ですので、イヤホン本体が常にケーブルで引っ張られているような感じであり、装着感はF7200が圧勝であることが、F3100を購入してわかったことです。F7200のMMCXコネクタ採用によるメリットはリケーブルできること、だけではないということです。

F7200とF3100の音の違いですが、価格は約2.5倍違えど、同じシリーズですので音の傾向は似ており、短時間で付け替えるて比較すると違いがわかりにくいです。
ただ、F7200を長時間聴いたあとにF3100に付け替えると、明らかにF7200は音の方が立体的に感じ、F3100は平面的で奥行きがあまり感じられないということに気づきます。
また、高域の伸び、響き方、ピアノやバイオリンの音の生々しさがF7200の方が上手です。

ただ音だけの比較でいうと、F7200とF3100の間で売価2.5倍の違いがあるか、というと、少し微妙な気がします。もちろん両者をじっくり比較すればF7200の方がより洗練されていることに気がつくのですが、F3100単品で聴いていてそれがわかるか、というとなかなか難しいと思います。

それより、F7200のMMCXコネクタ部が可動することによる装着感向上や、ケーブルを含めた見た目の良さに価値が見いだせる方であればF7200をオススメできます。

つまり、私自身はF7200は非常に気に入って下りますが、大手を振って大勢の方に勧められるイヤホンかというと「No」です。それなりにこだわりを持った方だけに「刺さる」イヤホンだと思います。

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Unique Melody MACBETH II Classic ゲット [オーディオ]

#この記事は、2018年2月に書き留めていたものに加筆修正しております。

現時点でブログにはエントリしていませんが、Unique Melodyのユニバーサルイヤホン MAVERICK II を購入したのですが、ダイナミックドライバの振動板(ダイヤフラム)が、耳の中でポコポコ音がすることがどうしても気になってしまい、Unique Melody に送り返してチェックしてもらっています。(おそらく問題はないが、念のため見てもらっている)

MAVERICK II が手元に無い間、Unique Melody イヤホンの補填?として、MACBETH II Classic を購入してみたので、レビューしたいと思います。

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MAVERICK II と比べるとシェルサイズが2/3程度で非常にコンパクトです。

MACBETH II は内部ドライバ構成が非公開となっておりますが、BA型ドライバのみで構成されているということは公言されています。

MACBETH II Classic(Unique Melody)|ミックスウェーブ[Mixwave] Universal Fit IEMバランスド・アーマチュア型(BA型)
http://www.mixwave.co.jp/dcms_plusdb/index.php/item?category=Consumer+AUDIO&cell002=Unique+Melody&cell003=MACBETH+II+Classic&id=146

価格帯(7万円弱)から考えると、良くて3BA、最低でも2BA構成だと思われます。そこでシェルの中身を透かしてみてみました。

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はっきりとは確認できませんが、2つの四角の陰が見えますので、おそらく2BA構成だと思われます。

問題は音、です。
聴いてみると低域はしっかり出ていますが出過ぎ、と言うことは無く、BAらしい繊細な低音です。
高域も透き通っていて、それなりに解像度高く聞こえます。ここまで書くと「良いイヤホンじゃん」となりそうなのですが、そうはいきません。

中域が「え?」と思うくらいヘコんで聞こえるのです。言ってしまえばドンシャリイヤホンです。ただし、ドンもシャリも繊細なので安いイヤホンの音ではありませんが。
中域が足りないがために、高域が目立ってしまって、そのせいで時折刺さるとまではいかないまでも、少し不快なキンキンしているように聞こえることがあります。

とにかく中域が凹んでいるため、基本的にはボーカルが遠く聞こえます。ボーカルが前に出すぎないタイプのイヤホンが好きな人にとってはいいかもしれませんが、私は嫌いなタイプのイヤホンですかね。。(じゃあ何故買った?)

私は中、高域が前に出てくるタイプのイヤホンが好きなので、尚更MACBETH IIが合わないのかもしれませんが、好き嫌い、をのぞいて聴いてみると、BAイヤホンらしい、クリアで解像度が高い音になっていると思います。

MACBETH IIの一番の特徴であるシェルの綺麗さ、は、ファイバー(細い繊維)を手作業で埋め込んでいるそうで、カスタムIEMだと2万円弱のオプションだそうです。つまり、MACBETH IIは見た目の良さの比重が高いイヤホンということになります。

もちろんイヤホンは見た目の良さも重要な要素の一つですが、もし音の良さを求めてMACBETH IIに7万円弱払うのでしたら、もう少し別の選択があるのでは、と個人的には思います。

総じて、あまり良い印象のイヤホンではありませんでしたし、2BA構成のイヤホンってもしかしてすべてこういう音がするのかな?という先入観が埋め込まれてしまい、BAイヤホンは「シングルか多ドラだな」という自分の中での結論になってしまいました。

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EARNiNE EN120 ゲット [オーディオ]

EARNiNEのEN120という、シングルBAのイヤホンを購入しました。
たまたま e-イヤホンのオンラインショップを見ていたら、開封品(ただし新品)が4000円ほどで売られていたので、以前からシングルBAってどんな音がするんだろう、と気になっていたことと、e-イヤホンのレビューでも肯定的な意見が多かったので、購入してみることにしました。

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イヤピースは、今、私の一番のお気に入りSpinFitに交換してあります。
イヤホン本体だけでなく、イヤホンジャックもステンレス製で、アラウンド5000円イヤホンとは思えない質感の高さです。

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使用したDAPは、COWONのPLENUE 2です。イコライザはOFFです(NORMALモード)。
EN120の音はある面では想定通り、またある面では想定外でした。

まずは想定通り、の点から。
シングルBAイヤホンというこということもあり、低音の絶対量は少ないです。これはどんなにひいき目に見てもくつがえらない事実です。ダイナミック型イヤホンでドコドコ系の低音イヤホンが好きな方にはオススメできないですね。(そういう人がシングルBAイヤホンは買ってはダメ)
しかし、まったく低音が出ていないか、というと、フラットに近いレベルできれいな低音が出ていることに気がつきます。後に書きますが、透き通るような中・高音が前に出すぎていて、思わず低音を意識することを忘れがちになってしまう一面があるのかもしれません。

ネット上のレビューで「低音が全くでていない」と低評価を付けている人を見かけますが、おそらくイヤピースの選択ミスだったり、耳への装着が甘いことが原因だと思います。
小さめのイヤピースを選択し、これでもか、というくらい耳の奥に、鼓膜に向かってまっすぐ入れさえすれば、きれいな低音を感じることができるようになります。
耳の奥にまっすぐ入れるコツは、入れる耳とは反対側の手で耳たぶを後ろ側に引っ張りながらイヤホンを入れます。まっすぐ入れれば、イヤピースのカサの周囲が、外耳の周囲にピッタリくっつき、一切空気が漏れないガスケットの役割になります。カサの周囲からほんの少しでも空気が漏れると低音の量感が減少します。


このイヤホンの特徴を語る上で、低音がどうのこうの、とか言う話はどうでもよいのかもしれません。このイヤホンの特徴、それは圧倒的な中域、高域の透き通り方です。この点が想定を超えてきました。

悪く言えば中・高音が強調されすぎている、とも言えるのかもしれません。高音が強いと、えてしてシンバルの音がシャリシャリ潰れたように聞こえたり、女性ボーカルの声が耳に刺さったりするのですが、そういう現象はギリギリの所で抑えられている、と思います。
人によっては、この高域を苦手に思う人もいるかもしれません。それくらい、高域が強調されていると思います。私が持っている別のイヤホンSHURE SE846のブライトノズルで聞く高音よりも強く、私が持っている他のイヤホンの中でも飛び抜けて高音が強調されていると思います。

EN120が得意の音楽のジャンルは、EDMとか、中田ヤスタカ系(capsule, Perfume)が特に気持ちいいです。その理由ですが、EN120の音の粒がシャープだからだと思います。またシングルBAですので、マルチBAと異なりクロスオーバー帯(BA同士の周波数帯が重なる領域)が存在しませんので、全帯域を通じてでぼやけることなくストレートな発音をします。(もちろん、低域が弱い、とか、帯域毎の得意・不得意はあります)
シングルBAを聞き込んだ後、マルチBAイヤホンを聞くと、よく言えばコッテリ、悪く言えばドロドロ脂ぎった音のように感じます。(特にSHURE SE846)
シングルBAの良さって全域で素直でくっきりと発音することなんだなぁ、ということがSE846と聞き比べるとわかってきました。
また、女性ボーカルは非常にきれいに表現してくれます。男性ボーカルも女性ボーカルほどではありませんが、輪郭くっきり表現します。米津玄師とかも、得意です。

一方、クラシックなどでは少しあっさりし過ぎてるかなーという印象になります。クラシックはマイルドで暖かみのある音の方が合うと思うので、SE846のようなマルチBAによるクロスオーバーの弊害がプラスに働くのかな、という感じがしました。

SE846を買ってからは、数ヶ月間SE846が最強、と思って聞いていた音を見直す機会を、このシングルBAイヤホンEN120が与えてくれました。そして、もう少しシングルBAイヤホンを追求してみたい、と思うようにもなりました。他のメーカのシングルBA機も買って比較してみたいですね。

SE846を買う前、昨年2017年11月までは、ダイナミック型イヤホンのcampino audio CP-IE300Hをいい音と思って聞いていましたが、この機会にシングル対決として、久しぶりにCP-IE300Hにイヤピースを取り付けて、聞き比べてみました。(SE846を買ってからというもの、全く使っていませんでした)

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CP-IE300Hは、定価6000円のイヤホンですが、私が買ったときにはすでに2000円台で投げ売りされていましたし、実質2000円クラスのイヤホンと思っていいわけですが、残念ながらEN120の足下にも及ばないイヤホンだと感じてしまいました。数ヶ月前まで良い、良い、と言って聞いていたイヤホンの評価が自分の中でここまで下がるとは、自分自身でもびっくりです。

ただ、自分はそもそも、ダイナミック型イヤホンの音が苦手なのだと思います。SE846を買う前に購入したSE215 Special Editionも低音のザラつきが苦手で手放しましたし、とにかく透き通った音が好きなようです。この辺は人それぞれ好みでもあるので、良い音、悪い音、というよりはそれぞれの駆動方式(ダイナミック型とBA型)の音はどちらが好きか、という話です。

久しぶりにCP-IE300Hを聞いてみて、やっぱりダイナミック型の雑な感じが耳につきましたので、ダイナミック型のイヤホンからは少し距離を置いて、しばらくはBA型を追求してみよう、という思いです。

最後に、EARNiNE EN120をまとめます。
・強烈な中高域。でも破綻する一歩手前のギリギリの鳴り方をしている。
・低域は弱いが、出ていないことはない。DAPのイコライザでカバーできる。
・音楽のジャンルは選ぶ。どの曲でも合うオールラウンダーイヤホンではない。
・装着感はSpinFitでGood(私は)、ただしL/Rの区別が付けにくい。
・たまに、突き抜けた高音を聞きたくなったときに持っておくと良い1本だけど、みんな買うべき!とは言えない感じ。
・でも、1BA命!の人は是非買いましょう!

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