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ポータブルアンプ CHORD Mojo ゲット [オーディオ]

知る人ぞ知る、ポータブルヘッドホンアンプ CHORD (コード社)のMojo(モジョ)を購入しました。

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価格.comの最安店で44,800円で購入。あまりに安いので直輸入品を覚悟していましたが、きちんと代理店アユート経由の正規国内品でした。

さて、このポタアン、一番の特徴はこのデザイン、、、ではなく、内蔵されているDAC(Digital-Analog Converter)が、汎用ICではなく、プログラマブルIC(FPGA)を使っている点です。

Chordの「Mojo」をスマホでじっくり聴き込み (1) 音のノウハウをFPGAに凝縮 | マイナビニュース
https://news.mynavi.jp/article/20160225-mojo/

「Mojoに搭載されるXilinx社の最新・第7世代FPGA「Artix7」は、かなりパワフル。HugoにもXilinx社のFPGAX「Spartan6」が採用されている」とのこと。

Xilinx(ザイリンクス)のFPGAというと、以前、仕事でコーディングしていましたし、趣味で遊んでいた時期があるので、すごい親近感。。

といっても、10年以上も前の第3世代「Spartan3E」でした。
http://digigen.blog.so-net.ne.jp/2007-10-03

わざわざザイリンクス純正のプログラムケーブルを買ったりもしていました。
http://digigen.blog.so-net.ne.jp/2007-10-07
たぶんこのケーブルは今でも使えるはずなので、MojoのArtix7の内部コードも読み出せるかも。ただ、間違い無くプロテクトされているはずですが。

最終的にはFPGA内にCPUコアを焼き込んで、簡易LANスイッチを作って遊んでいました。
http://digigen.blog.so-net.ne.jp/2007-11-04


言ってしまえば、FPGAってアイデアさえあれば、CPUにもDSPにもADにもDAにも、なんにでも化けることができるので、FPGAでDACを作ってしまえ、っていうのは誰でも最初は考えることですし、汎用DAC ICメーカのエンジニアもおそらく最初はFPGAでデバッグしていると思います。

なぜ、他のポタアンメーカがFPGAで自社DACを作らないかというと、開発コストとICコストの双方で全くペイ出来ないからです。

FPGA開発ってコーディング、デバッグやテストまで含めると、とんでもない工数がかかります。一方、汎用のDAC ICを買ってくれば、高くても1個1000円ぐらいですから、その時点でFPGAを採用するという経営判断は通常、あり得ません。

さらに、FPGAはIC自体も1個、数1000円しますから、通常FPGAはプログラマブルという利点を活かせるデバッグ工程までで、量産に向けてはASIC化(マスクIC化)するのが一般的です。
CHORD社がMojoへのFPGA採用を高らかに宣伝することは、「他のメーカは、こんなバカな事はできないだろ?」と言っているようなものです。

ただ私は、FPGA開発経験者として、CHORDがMojoやHugoへのFPGA採用を大手を振って宣伝するのであれば、プログラマブル、という利点を活かして、定期的にアップデートするべきでは、と考えています。
一切アップデートをしないのであれば、FPGAを搭載する必要は無く、ASIC化してCHORD自社開発DACとして社名を刻印したICを搭載すれば良いのです。

もし、FPGA搭載を売り文句にしたいのであれば、FPGA採用によってDACロジックをファームウェアでアップデート可能です!と言ってくれれば、だから何1000円もするFPGAを実装したまま量産するんだな、、と腑に落ちます。


と、少し苦言みたいになってしまいましたが、だからこそ、これが4万円であれば破格だな、とも思ってしまったので、このたび買ってみることにしました。

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eイヤホンで4000円のケースも買いました。

早速、GRANBEAT DP-CMX1に接続して聴いてみました。
イヤホンはSHURE SE846、GRANBEAT側は352/384kHzアップサンプリングして出力させています。

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16cmの左右LのホストMicro USBケーブルで繋いで、周囲16cmのバンドで固定しています。

肝心の音質ですが、GRANBEATとは全く世界観が異なります。全く別のDAPになります。
いろいろ書きたいことがあるのですが、うまく書けないと思うので一つずつ箇条書きにします。

・女性ボーカルの透明感がスゴい。耳元で歌っているような、口の動きがわかるような感じ。
・ドラム、ギターの叩いたり弾いたりする音の立ち上がりがくっきり。
・ピアノ、弦楽器は、目の前のモヤがパッと晴れたかのようなクリアな音に鳥肌が立ちました。
・MP3 320kbpsへのドーピングが可能。ロッシーでも生き返る感じ。
・EQオフで中、高域はそのままで十分ですが、低域が少し弱いかな。ってこれはイヤホン特性の話かな。
・GRANBEATはずいぶん低音が強調された音だったと気づかされた。
・SE846のノズルをブライト→バランスに戻してみたけど、やっぱりブライトが良かった。

中でも一番ショックだったのは、SHURE SE846をGRANBEATに直挿しした時に、一枚薄いオブラートが介在していることがわかってしまったことです。SE846をMojoで鳴らした時の突き抜ける爽快感を目の当たりにすると、やはりGRANBEATはSE846を上手く鳴らせていないのではないか、という疑念を持たざるを得ません。

Mojoの出力インピーダンスは0.075Ωなので、SE846のような極低インピーダンスのBA IEMに対してもほぼ影響せず鳴らせると考えられますが、GRANBEATは出力インピーダンスが5Ω(推測)なので、周波数特性に対してはどうしても不利になるだろうことは容易に想像できますが、その結果があの「薄いオブラート」になるのかどうかがわかりません。もう少しインピーダンスの高いイヤホンも持とうかと考えてます。。(無限ループにはまっている気がする。。)


一つだけ、致命的な問題があります。
それは、GRANBEATが出す4G/WiFi電波で、はっきり認識できる「チリチリ」「ガリガリ」ノイズが出ることです。
これを防ぐには、Mojoを接続しているときにはGRANBEATを「機内モード」にするしかありません。
私はGRANBEATがメインスマホではないので問題無いのですが、GRANBEATをメインスマホにしている人にとっては辛いかもしれませんね。iPhoneなどにMojoを接続しても同じ現象が出るようなので、これからMojoを使ってみようとお考えの方は、スマホでなくDAPに接続することを念頭に検討した方がいいかもしれません。

ということで、Mojoの素晴らしさに感動した一方で、GRANBEATとSE846の組みあわせにモヤモヤしたものが残る結果となってしまいました。ホントにオーディオってゴールがありませんね。


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